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🏆世界のサッカー監督「在任期間」調査 ─ セリエAに見る異常な交代劇

現代サッカーは「結果がすべて」。
ひと昔前とは比べ物にならないほど、監督たちの交代は加速しています。

では、実際にどれほど「短命」になっているのでしょうか?
世界65リーグを対象にした CIES Football Observatory の最新調査から、その実態を紐解きます。


📊 監督の平均在任期間が短いリーグランキング【トップ10】

まずは、監督の在任期間が特に短いリーグをランキングで見てみましょう。

順位 国旗 リーグ名 1年以内の解任率
1 Liga Pro (ECU) 100.0%
2 Primera División (CRC) 91.7%
3 Serie A (ITA) 90.0%
4 HNL (CRO) 90.0%
5 Segunda Liga (POR/2) 88.9%
6 Liga MX (MEX) 88.9%
7 Saudi Pro League (KSA) 88.9%
8 Primeira Liga (POR) 88.9%
9 1. Division (CYP) 85.7%
10 Brasileirão (BRA) 85.0%
11 Serie B (ITA/2) 85.0%
12 Dimayor (COL) 85.0%
13 Stars League (QAT) 83.3%
14 Primera División (ARG) 83.3%
15 First League (BUL) 81.3%
16 Campeonato Uruguayo (URU) 81.3%
17 Super Liga (SRB) 81.3%
18 Challenge League (SUI/2) 80.0%
19 División de Honor (PER) 78.9%
20 UAE Pro League (UAE) 78.6%
21 Bundesliga (AUT) 75.0%
22 Eerste Divisie (NED/2) 75.0%
23 Primera División (PAR) 75.0%
24 Pro League (BEL) 75.0%
25 La Liga 2 (ESP/2) 72.7%
26 Super League 1 (GRE) 71.4%
27 Liga (VEN) 71.4%
28 Premyer Liqa (AZE) 70.0%
29 Challenger Pro League (BEL/2) 68.8%
30 Süper Lig (TUR) 68.4%
31 1. Liga (SVK) 66.7%
32 NB I (HUN) 66.7%
33 League One (ENG/3) 66.7%
34 Championship (ENG/2) 66.7%
35 Campeonato Nacional (CHI) 62.5%
36 Allsvenskan (SWE) 62.5%
37 2. Bundesliga (GER/2) 61.1%
38 Ligue 2 (FRA/2) 61.1%
39 Ligue 1 (FRA) 61.1%
40 1. SNL (SVN) 60.0%
41 Super League (SUI) 58.3%
42 Ligat Ha'al (ISR) 57.1%
43 Czech Liga (CZE) 56.3%
44 CSL (CHN) 56.3%
45 Liga I (ROM) 56.3%
46 Premier League (UKR) 56.3%
47 1. Division (NOR/2) 56.3%
48 Ekstraklasa (POL) 55.6%
49 3. Liga (GER/3) 55.0%
50 Eliteserien (NOR) 50.0%
51 Premier League (RUS) 50.0%
52 MLS (USA) 50.0%
53 Premiership (SCO) 50.0%
54 Premier League (ENG) 45.0%
55 J1 League (JPN) 45.0%
56 Bundesliga (GER) 44.4%
57 1. Division (DEN/2) 41.7%
58 Superliga (DEN) 41.7%
59 K League 1 (KOR) 41.7%
60 La Liga (ESP) 40.0%

注目すべきは、コスタリカエクアドル・メキシコ・イタリアといったリーグでは、
監督のほとんどが就任から1年以内で交代していることです。


セリエAに見る異常な現象:20クラブ中18クラブが「1年未満」

特にヨーロッパに目を向けると、イタリア・セリエAが驚異的な交代劇を演じています。

2025年4月15日時点でのデータでは、
セリエAの20クラブ中、18クラブの監督が就任から1年未満という結果になりました。


📝セリエA各クラブの監督在任期間【一覧】

クラブ名 監督 在任年数
アタランタ ジャン・ピエロ・ガスペリーニ 約9年
インテル シモーネ・インザーギ 約4年
ボローニャ ヴィンチェンツォ・イタリアーノ 1年未満
カリアリ ダヴィデ・ニコラ 1年未満
コモ セスク・ファブレガス 1年未満
エンポリ ロベルト・ダヴェルサ 1年未満
フィオレンティーナ ラファエレ・パッラディーノ 1年未満
ジェノア パトリック・ヴィエラ 1年未満
ユヴェントス イゴール・トゥドール 1年未満
ラツィオ マルコ・バローニ 1年未満
レッチェ マルコ・ジャンパオロ 1年未満
ACミラン セルジオ・コンセイソン 1年未満
モンツァ アレッサンドロ・ネスタ 1年未満
ナポリ アントニオ・コンテ 1年未満
パルマ クリスティアン・キヴ 1年未満
ローマ クラウディオ・ラニエリ 1年未満
トリノ パオロ・ヴァノーリ 1年未満
ウディネーゼ コスタ・ルンヤイッチ 1年未満
ヴェネツィア エウゼビオ・ディ・フランチェスコ 1年未満
ヴェローナ パオロ・ザネッティ 1年未満

つまり、インテルインザーギアタランタガスペリーニを除けば、
すべてのクラブで監督が1年未満という、異常な状態になっています。


📌 まとめ:監督に求められる即効性と、失われる「築く時間」

今回のデータから読み取れるのは、
サッカー界で「監督に長期プロジェクトを任せる」という文化が急速に失われている現実です。

イタリア・セリエAの例に見るように、
「今すぐ結果を出す」ことが求められ、
そのためにわずか数ヶ月で更迭されるケースも珍しくありません。

これがクラブにとって吉と出るのか凶と出るのか──
未来の答えを知る者は、まだ誰もいません。

長期政権だからこそできる 素晴らしいフットボールがあるので、 フロント陣も耐える能力を身につけてほしいものです。